投稿日:2025.10.15
金属アレルギーの方の矯正ガイド|ワイヤー/マウスピースの選択肢と注意点
「金属アレルギーだけど矯正治療はできるの?」と不安に感じていませんか?
結論からお伝えすると、金属の種類によっては矯正治療が可能です。
金属のなかでもニッケルはアレルギー反応がでやすいため注意しなくてはいけません。
代替素材やマウスピース型矯正など選択肢はありますのでまずは一度ご相談ください。
当院では問診・必要に応じ皮膚科と連携して素材を選びます。
金属アレルギーの方が矯正治療を始めるうえで知っておくべき内容をまとめましたので、ぜひご参考ください。
目次
金属アレルギーでも矯正はできる?結論と考え方
結論からお伝えすると、金属アレルギーであっても矯正治療はできます。
金属にも種類があり、何に反応するかをしっかり調べたうえで始めることが重要です。
ワイヤー矯正の場合、使用するブラケット、ワイヤー、それら2つをつなぐ結紮材に金属が含まれていることが多く、
アレルギー反応がでるものを避けなくてはいけません。
金属の種類を変えても反応するケースや反応が強く出た場合は、
ワイヤー矯正ではなくマウスピース型矯正をご提案することもあります。
金属アレルギーの基礎知識
金属アレルギーは皮膚科のパッチテストで確認が可能です。
矯正治療で使用される金属をいくつか皮膚科に持っていく必要があるため、まずは歯科医院へご相談ください。
矯正治療で使用する代表的な金属の種類
代表的な金属には「ニッケル」「コバルト」「クロム」「チタン」 などがあります。
ニッケルやコバルト、クロムは、金属アレルギー反応がでやすい傾向にあります。
とくに歯科治療において幅広く使用されるニッケルは注意が必要です。
チタンは、インプラントでも使用されている素材で生体親和性が高く、アレルギー反応がでにくい素材です。
しかし、取り扱っている歯科医院が限られています。
矯正治療で反応がでた場合の主な症状
アレルギー反応の主な症状としては「口内の違和感」「粘膜の赤み」「かゆみ」「皮膚の発疹」などが挙げられます。
過去にピアス・金属アクセサリーでの既往がヒントになることも珍しくありません。
金属の詰め物や被せ物をして反応がでた方は、素材の種類を覚えておくことで矯正治療もスムーズにすすめやすくなるでしょう。
しかし、矯正治療で別の金属を使用することで新たなアレルギーが分かることもありますので、
事前のパッチテストは受けるようにしてください。
矯正装置に使われる主な素材と“金属の関与”
ワイヤー
ニッケルチタン(NiTi)
ニッケルが含まれており、初期配線でよく使われます。
もしニッケルアレルギーである場合は、比較的早い段階で気づくことができるでしょう。
ステンレススチール
ニッケルを含むことが多く、アレルギー反応がでやすい傾向にあります。
βチタン(TMA等)
生体親和性の高いチタンは、アレルギー反応が出にくい素材で外科などでも広く使用されています。
ニッケルを含まないため、ニッケルアレルギーの方に有効です。
コーティングワイヤー
表面がコーティングされているため始めはアレルギー反応がでにくいですが、
使用するなかでコーティングが剥離し金属が露出するリスクがあります。
ブラケット
メタル
金属製のブラケットのことで、主にステンレスや合金でできています。
アレルギー反応がでやすい傾向にあるため、金属アレルギーの方は基本的に使用できません。
セラミック/サファイア
見た目が白く目立ちにくいほか、金属を含まないため金属アレルギーの方でも使用可能です。
ただし、ワイヤーを通すための溝が金属でできている場合もあり、その点は要注意です。
また、歯よりも硬いことから歯を痛めてしまうリスクがあります。
樹脂(ポリマー):金属成分なし(強度・摩耗は留意)
メタルブラケットよりも目立ちにくく、歯を痛めてしまう心配もそこまでありません。
しかし、強度が低く使用するなかで欠けたり摩耗したりすることも珍しくありません。
その他の部材
奥歯につけるバンドやチューブ、ブラケットとワイヤーを繋ぐ結紮線は、
ワイヤー矯正では必要不可欠な物で金属で作られているのが一般的です。
そのほかパワーチェーンやエラスティック(矯正用ゴム)など、非金属の物も使用します。
金属別の注意点:ニッケル・チタン・その他
金属によって注意点が異なります。
道具によっては代替できない場合もあるため、事前に確認しておくようにしましょう。
ニッケルアレルギー
ニッケル・ステンレスはアレルギー反応が出やすい素材です。
アレルギーの疑いがある場合の使用は慎重に判断する必要があります。
代替としてβチタンワイヤー×セラミック(非金属スロット)×樹脂結紮の組み合わせがおすすめです。
チタンアレルギー
生体親和性の高いチタンも絶対に安心というわけではありません。
稀にアレルギー反応が出る方もいます。βチタン・純チタンは要注意です。
ステンレスや他素材に切り替えるのが一般的ですが、ニッケル既往がないかも同時に確認する必要があります。
コバルト・クロム
バンドや補助装置など一部の道具に含まれている可能性があるため、素材選定が必要です。
複数金属に反応する場合はマウスピース型矯正がおすすめです。
できる治療の選択肢:ワイヤー矯正とマウスピース矯正
ニッケルフリー構成のワイヤー矯正
βチタンワイヤー+セラミック/樹脂ブラケット+樹脂結紮など、ニッケルを含まない素材を使ったやり方です。
セラミックや樹脂でできたブラケットを選択することで見た目は目立ちにくくなりますが費用が高くなる傾向にあり、
摩擦によって歯の動きやすさにも差がうまれます。
舌側(裏側)矯正の注意点
ワイヤー矯正の一種である舌側矯正(裏側矯正)は、歯の裏面に装置を貼り付けるため粘膜に触れやすく、
その分アレルギー反応がでやすい傾向にあります。ご希望の方は主治医としっかり相談して決めましょう。
部分矯正
全体矯正にくらべて治療範囲が狭い部分矯正は、金属の露出部位・使用量を最小化できます。
奥歯の並びを変える必要があるケースや噛み合わせに問題があるケースは部分矯正が選択できません。
マウスピース矯正(アライナー)
マウスピース型矯正は金属部材をほぼ使用しないため、金属アレルギーの方に向いています。
しかし、ワイヤー矯正にくらべて微調整が難しいため、対象は軽度~中等度の症例が基本です。
ワイヤー矯正と併用することで対応できる症例もあります。
マウスピース型矯正で付与されるアタッチメントには主にレジン(樹脂)を使用します。
矯正相談(カウンセリング)から治療までの流れ
初診相談
金属アレルギーに関する既往歴などをくわしく伺います。
歯科治療に限らずピアスやネックレスなどで反応がでた方も必ずお知らせください。
必要に応じて皮膚科へ紹介
反応金属を特定するためのパッチテストを皮膚科で受けていただきます。
装置と素材の設計
金属成分の有無(Ni/Cr/Co/Ti)を個別に確認して、治療を開始する準備をします。
見積り・期間
金属アレルギーがみられる場合、メタルブラケットを使用する場合とは費用が異なります。
歯の動き方の違いによってトータルの治療期間も異なるため、それらを決めて患者様へご説明いたします。
治療開始~経過観察
治療を開始して違和感や粘膜症状がないかをモニタリングします。
保定(リテーナー)
メインの治療で並べた歯並びをキープする装置を「リテーナー」といいます。金属クラスプを避けた樹脂プレートなどをご提案いたします。
よくある質問(FAQ)
Q. 自覚はありませんが、心配です。
- 既往が無い方でも心配な場合は問診で絞り込み、必要に応じて皮膚科でパッチテストを行います。
Q. コーティングワイヤーで大丈夫?
- コーティングが剥がれると金属が露出する可能性があるため、リスクが高い場合はマウスピース型矯正をおすすめします。
Q. ニッケルフリーだと費用や期間は増えますか?
- 症例により費用差や期間差が出ることがあります。事前に個別見積りで明確にご説明します。
Q. マウスピース矯正は誰でも可能?
- 歯列や咬合の状態により適応が異なります。まずはくわしい検査と診断が必要です。
Q. 保定装置は金属ゼロにできますか?
- 樹脂プレート系で金属を避けた設計が可能です。生活様式や強度とのバランスなどを考慮してご提案させていただきます。
歯列矯正の金属アレルギーまとめ|迷ったら早めにご相談ください
金属アレルギーであっても矯正治療は可能です。
大切なのは反応する金属の種類の特定と素材の組み合わせ・設計をすることであり、
当院ではワイヤー矯正だけでなくマウスピース型矯正にも対応しております。
まずは一度ご相談ください。
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